SIMO

20年前の手紙

20年ほど前の手紙が出てきました…

イギリスの美大から交換留学のためストラスブール(フランス)に到着し
ミレニアムを迎えた時に友人に宛てた手紙の一部です。

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2000年になる夜は一応テレビをつけて、
特別な時が来てるって思おうとしたけど、
窓の外から爆竹や花火や人の声が聞こえてもちっとも楽しくないし、
かといって寂しくてしょうがないという事もありませんでした。
世界中の人が楽しそうで、
私の家族も幸せに過ごしてるんだろうなと思ったけど。

朝目が覚めてすぐにママから電話があって
ママとなおちゃんが少し話していましたが、
私はポツッと返事をするだけしかできませんでした。
その後またかかってきて、
さっきいなかったからそれは兄ちゃんだと分ったけど、
一度は電話を無視し、二回目で出たけど、返事も殆どできませんでした。
泣けて、何も言いたく無くて、ごめんと言って電話をきりました。
泣き疲れの朝でした。
でも人のところに会いにいける気分でないし、
家にも帰れないのなら一人で居るしかしょうがありませんでした。
しなくてはいけない事を考えたり、新しい場所に慣れるまでの緊張や、
イギリスでの忙しさや人間関係からの疲れもとれず、
こそこそとした気持ちでした。

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当時の自分が、なんだか今は子供のことのように思えます。
そして当時を思い出すと胸が熱くなります。

イギリスとフランスでの学生生活はとっても有意義な時間でした。
やっとたどり着いた環境で思いっきり制作し、刺激のある毎日。
孤独な気持ちは常にあったけど
様々な国籍の友人や家族からの手紙のやりとりにたくさん支えられていたんだな…
内容の濃い手紙を読み返すと今でも新鮮で、改めて感謝と愛を感じます。
今もこの頃の経験が私の支えとなっています。